JSTQBテストアナリストの勉強方法を書いてみる。

はじめに

2月に受験したJSTQB Adavanced Level テストアナリスト試験の結果発表があり、見事に合格することができました。
今回の記事は合格までの道筋・勉強方法を書いていければと思っています。

 

JTQB Adavanced Level TA(テストアナリスト)試験とは

世界で最も普及しているソフトウェアテストの認定機関であるISTQB資格を日本で受けられるというもの。
現在日本で受けられる資格としては、Foundation試験(FL)・テストマネージャ試験(TM)・テストアナリスト試験(TA)がある。

Advanced Levelの試験については応募資格のレギュレーションがある

  1. JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level資格の合格者、JSTQB(日本)以外のFoundation Level資格の合格者
  2. 業務経験3年以上(業務経歴申請書の提出あり)

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ISTQBが定める技術体系

Certifying Software Testers Worldwide - ISTQB® International Software Testing Qualifications Board

JSTQB認定テスト技術者資格

Advanced Level試験/資格試験-JSTQB認定テスト技術者資格/日科技連|ソフトウェア品質|SQiP研究会

STEP0. 前回の受験

実は2018年もTA試験を受験して落ちています。

  • 動機:マネージャが受けるからとりあえず受けてみた(自腹だから落ちてもいいよねマインド)
  • 勉強:忙しさにかまけて、さらっとシラバスを読んだだけ
  • 試験当日: さーっと進めたら30分くらい余ったので先に帰った

この時点で受かる気がなさそうですが、当日の試験はテスト技法をあてこんだり、状況に応じて対応を判断するような実例問題が中心だったので「いつもの仕事の延長だ」とか「いろんなシステムを想定して問題が面白かった」とか「ワンチャン受かるのでは…」と試験を甘く見てましたが見事に落ちました。(マネージャは見事に合格しました)

という恥ずかしい失敗経験をかき消したいというモチベーションを元に今回の資格試験に臨んでます。

STEP1. 申し込み

まずはHPをよく読み、受付している期間に申し込みを行います。(仕事が忙しくなると、試験日は大体いつか覚えてられるが申し込みの締め切り日は忘れそうになるので注意。) 申し込み時にはFL認定証の写しやFLでの認定番号が必要になるので、あらかじめ準備しておく。(職場で申し込もうとすると大抵、手元にない) 初回受験時は業務経歴申請書を提出する必要がある(メールで案内が来る)ので、募集要項からダウンロードして作成します。

www.juse.or.jp

STEP2. テスト当日までの勉強パート

試験問題の結果は回収されてしまうのでどの問題が間違っててどの問題があってるのか分かりませんが、試験を受けてみての自分が正解・不正解してそうな部分が分かっていたので今回は自分の弱点になっていそうな部分(自信をもって正解といえる領域以外)について重点的に勉強することにしました。

カテゴリ分け・方針決定

ざっくりいうと、テストを受けた問題の傾向をカテゴリ分けし、それぞれの理解度を3段階でつけました。(下記参照) 普段の仕事ではストーリーチケットのテスト設計(限られた時間の中で網羅的な・かつステークホルダーの要求する品質を満たせるようなテストを設計)をしています。なので、テスト技法を当て込んでテストケースを作成する問題は得意ですが、業務で取り扱っていない知識体系の引き出しが少ないこと、テストマネージャとテストアナリストとしてスクラム開発では分けて考えていないため一緒に考えてしまって、それぞれが一般的なプロジェクト開発における棲み分け・役割分担といったところが曖昧になっていることという弱点が見えてきました。 試験に向けて、理解度が低いものから優先順位を高く定め、それぞれ学習時間の重みを変えて学習します。

正解してそうな領域(自信をもって正解といえる問題)

  • 普段使っているテスト技法を当て込む問題

たぶんあってると思う領域(多分これが正解!って答えた問題)

  • 普段あまり使わない技法、業務ではツールに任せてしまうテスト技法の問題
  • テストアナリストとしての振る舞いをこたえる問題

おそらく間違っている領域(わからない・回答の一部がわからなかった問題)

  • 知識問題
  • 業務の知識とシラバスの知識とで差異・言い換えながら解釈した問題

シラバスを読み込む

勉強といっても問題集等々が無いので基本はシラバスを読みこむことを行いました(読み込むといっても2周ですが)。シラバスで分からない単語・略称などについてはGoogle検索して、関係する発表やブログなどを読んで、自分の言葉で理解できるまで資料を読み、理解した内容をテキストに書き起こし、あとで読み返せるようにして学習していきます。そのため、シラバスを読み込むと言っても寄り道がほとんどなのでかなり時間がかかります。
とはいえ、時間がかかっても日々の業務改善などに使えそうな知識・考え方が入ってくるので有意義な時間なのでおススメです。

テスト技法の勉強

過去問セミナーTA

テスト技法についてですが、「問題文を読んで実際に使えるレベル」が求められている気がします。 そのため、テスト技法については読み込みに加えて、別に時間を取りました。
対象のシステムに対して複数のテスト技法を組み合わせて考えられる必要があると、当日の試験で自信をもって回答ができると思います。

おススメはJSTQBの過去問セミナーの資料を熟読することです。実際に出た問題を解説していること、資料の少ないクラシフィケーションツリーについて書いてあります。

過去問セミナーTA
http://jstqb.jp/dl/AL_Exam_Seminar_TA.pdf

技法を手になじませる

基本的なテスト技法(境界値分析・ディシジョンテーブルや状態遷移図)については試験で多くの問題が出てくるのですが、今回はシラバスを読んで自分の知識と差異がないか確認する程度にしました。
今回は優先度を下げましたが仮に勉強をするとして、テスト技法は誰か分かっている人に教えてもらう・自分のやり方を見てもらって指導を受けるのが身につく近道だと思っています。
自分の経験では以前に有料の研修に行きましたが、そこでテスト技法の使い方を学んだ経験が日々の仕事でも活きている気がしています。
最近ではテストコミュティのワークショップもたくさんあるので、そういったところに足を運んで手を動かすのもいいかもしれません。

よさげだと思うセミナーを列挙
日本全国対応のソフトウェア品質教育支援 | VALTES

JSTQB認定 ソフトウェアテスト技術者 ― Foundation Levelトレーニングコース | セミナーサイト | 日本科学技術連盟

WACATE : 若手テストエンジニア向け勉強会・ワークショップ

STEP.3 テスト当日

TA試験は180分60問の長丁場です。しっかり準備して臨んで分かりましたが、時間が足りません。計算だったり・確認に時間がかかる問題だったり、結構大変です。
ペース配分を考えながら受験するのがおすすめです。自分の場合は今回も問題を解いたタイミングで回答の自信度をカテゴリ分けしながら進めて、最後に怪しいところ・間違えてそうなところを見直すようにしました。 朝はしっかり食べないと後半考えられなくなるので、早起きしてきちんと朝食をとるのは大事だと思います。

おわりに

第4回の受験者は前回から220人増えて500人程になったということでテスト系の資格・QAという仕事も一般的になって来たのかなぁという印象です。
今回は考えられる準備をちゃんとして臨んだので落ちたときは、「分からない場所が分かっていない=何も分かってない」なので1から勉強し直しの必要があるという不安な日もありましたが無事に合格できてよかったです。
取得していない認定資格はテストマネージャもあるので、ゆくゆくは取得できたらなぁと思ってます。ほかにもスクラムで開発しているので、英語を勉強してアジャイルテスターの資格を取りたいなぁとか思っています。