なぜQAとして発信するのか考えてみた話。

はじめに

自分が勉強会の登壇や、外部への発信をやっている理由は端的に言うと「同じ価値観を持つ仲間に知ってもらいたいから」だと思っています。
理由として「同じ価値観・経験を持つ人」が業界の構造としてかなりの少数派であることが挙げられます。今回はそこら辺のことは短めの文章で書こうと思います。
※あくまで個人の見解です。

目指している姿

スクラムチームのエンジニアの理想像は「T字型人材」だと考えていて、開発チームにおけるエンジニアの枠組みの中にQAエンジニアも含まれていると思っています。
なので、スクラムチームがswarmingするときは開発だってするし、仕様検討だってするし、テストだってする。
その中で「一番得意なのがテストだよ」…っていうようなエンジニアをQAエンジニアとして考えています。

参考:Swarmingとは スワーミングがアジャイルチームを助ける

日本のIT業界におけるQAエンジニア人材

といいつつ、こういったエンジニアは少なくとも自分の会社のカジュアル面談の場にはほとんどやってきません。そもそも、QAエンジニア・テストエンジニアの人が少ないです。
PRや採用側の問題…とかもあるかもしれないのですが、日本のIT業界は責任範囲を明確に絞り、その領域に特化した人材で開発を進めてきたこと…とかも理由として考えられます。面接に来ていただける候補者の多くがテストの設計と実行の経験だけという場合が多く、計画や評価を含めたすべてのテストプロセスを担当した経験がある人の方が少ないように感じます。
※テストプロセスについては下記に載せておくので興味があったら参考リンクをご確認どうぞ。

JSTQB TestAnalystにおける テストプロセス

  • 計画、モニタリング、およびコントロール
  • 分析
  • 設計
  • 実装
  • 実行
  • 終了基準の評価とレポート
  • 終了作業

JSTQB認定テスト技術者資格-シラバス(学習事項)・用語集-

そのため、経験領域と目指している姿にギャップがあるのは分かった上で、難しい採用活動を進めているのは理解しているつもりです。
しかし、(あくまで自分が見える範囲の)海外に目を向けてみると目指すべき姿とマッチした経験をもった人は日本よりはいるように感じています。
ISTQB Agile Testerを取得できる国もあるので、そういった部分も関係があるかもしれないですが、計画からレポーティングした上で、継続的なテストの推進を経験してる人…とかもたまにいる印象です。

なのでどうするか(まとめ)

グローバルな観点で言えば、海外の品質保証のスタンダードを取り込みながら働くべきだと思っています。
そうしないと独自の品質保証の仕組みを推進した結果として、今度は海外でメンバーが取れなくなるリスクが発生するからです。
なので、日本における採用は経験を持つ人が少ないのは認めた上で、同じ価値観の人に来てもらうしかないかなと考えています。

やったことないのであれば覚えればいいし、そういった成長込みで仕事をするメンバーと一緒に働けたらいいなぁと思っています。
なんでもやるような「T字型人材」を目指すような人に向けて今日も発信していこうと思っているので、引き続きよろしくお願いします。

おわり